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恵比寿の五角形

< WORKS


所在地:東京都渋谷区
構造・規模:木造 (深基礎)地下1階 地上2階
竣工年月:2017年4月
敷地面積:48.60m 2
建築面積:25.71m 2
延床面積:75.13m 2
設計:若原アトリエ
構造:長坂設計工舎
施工:モノリス秀建
 
写真:中村絵

約7坪の五角形に都市のダイナミズムを取り込む

 
恵比寿駅を降りてしばらく歩くと昔の下町風情の残る場所があります。この辺りにはかつて多くの町工場があった場所で、開発が進んだ現在でも所々に古い木造建築が残っています。今回の敷地はそうした地域の中、北に向かって緩やかに下る坂の途中、約15坪の狭小地です。クライアントは30代の夫婦と幼い2人のお子さんの4人家族。私はここに小さくとも都市のダイナミズムに負けないような強い空間をもつ建築をつくりたいと考えました。平面は敷地形状に合わせた約7坪の五角形。断面は深基礎の半地下と、上部二層は木造、屋根は13寸勾配の切妻。玄関は外階段から1.5m上がった場所にあります。
二階へ上る階段室から壁がそのまま天井へと繋がっています。75センチの階段幅から8m近い落差を見上げ、そこをくぐるように上ると小さいながら守られた安心感のある空間が現れます。そこがこの住まいの居間となります。急勾配の屋根と多面体のように構成された居間の空間は全て瓦を混ぜた薄灰色の漆喰を荒く塗りました。ほの暗い中に天窓と地窓から差し込む光が様々な陰影をつくり空間に奥行きを生み出します。ダイナミックな内部空間と柔らかな素材の組み合わせ、そして仄かな暗さと視線の抜けを感じられる窓。都市に住む事を選択した住み手が求める刺激と安らぎを両立させる住まいがこの小さな場所に実現しました。

雑誌/書籍
●『住宅特集』2018年5月号(新建築)《2018》  >>LINK