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小金井の住宅

< WORKS


所在地:東京都小金井市
構造・規模:木造 地上2階
竣工年月:2022年4月
敷地面積:129.36m 2
建築面積:55.98m 2
延床面積:85.52m 2
設計:若原アトリエ 担当/若原一貴 渋谷晶
構造:長坂設計工舎
施工:木村工業
 
写真:中村絵

武蔵野の面影を残す緑豊かな住宅街の中に計画された30代の夫婦のための住まいである。はじめて敷地を訪れたとき、東側に位置する「神社の森」の存在感が強く印象に残った。私は、ここには「地面」と「森」を感じながら暮らせる「開かれた住まい」が良いと考えた。外観は切妻屋根とし南側の隣地との隙間を玄関アプローチとした。玄関を入ると「テラス」と名付けた室内空間へと繋がる。長さ3.3mの横長窓からはアプローチの緑が見え、床は土間仕上げで地面との高低差がない。そこから一段上がった場所が「居間」となる。天井高さは3.8m。横長窓はここにも横断していてソファや食卓から外の景色が見える。東面の天井近くには高さ1.5mの縦長窓があり「神社の森」を切り取る。この窓の「縦ルーバー」は角度によって景色を消し陰影がより強調される。さらに正方形の窓を重心が低くなるように設置しその前を食卓とした。北側壁面には小さな飾り窓があり、安定した光が棚に置かれたモノを照らしている。居間から続く台所は縦長の空間で居間よりもやや暗い場所とした。台所奥の扉からはテラスへ抜けることができる。領域が重なりながら連続する「一室空間」の中で天井高さの変化、窓の位置、窓からの光が「場」を定義している。陰影によって奥行きが与えられ面積以上の広がりを生み出す。窓のディテールはすべて異なり、枠見込みの変化がそれぞれの居心地に変化をもたらすものとなった。縦ルーバー窓の見込みが一番大きく400mmある。奥行きの深い窓からの光はどこか柔らかな印象で窓下のソファに座ったときに心地よい「安心感」を与えている。季節とともに変化する様々な光が日々の営みの中に永く豊かさをもたらすことを期待している。
 
(新建築住宅特集2022年9月号)

雑誌/書籍
●『小さな木の家に暮らす。』(別冊太陽)《2023》  >>LINK
●『住宅特集』(新建築)2022年9月号《2022》  >>LINK
 
TV
●『渡辺篤史の建もの探訪』(テレビ朝日系列)《2023》  >>LINK
 
WEB
●『Cozy Houses in JAPAN』(YouTube)  >>LINK